まるやま農場 伝統を、地域を守りたい 挑戦と進化を続ける遠州の干し芋 干し芋

細長いフォルムに透明感のある黄金色。
思わず食欲をそそる、この“ほしいも”を一口食べれば
その自然の甘さと柔らかさに思わず顔がほころびます。
あっという間に一袋食べ終わる、
この「やわらかほしいも」の裏側には、
どんな工夫が隠れているのでしょうか。

お話を聞いたのは『まるやま農場』の清水歩美さん。
サツマイモの生育を管理しています。

サツマイモの管理をしている清水歩美さん

サツマイモの管理をしている清水歩美さん サツマイモの管理をしている清水歩美さん

農業に携わること

農業に携わること

『まるやま農場』は、サツマイモをはじめとした農作物の生産・加工を行っています。
この『まるやま農場』、実は『丸山製茶』という掛川の製茶会社が始めたもの。
そのきっかけは、農業と縁の深い製茶会社だからこその“気づき”にありました。

地域を、技術を守りたい

地域を、技術を守りたい

『まるやま農場』があるのは静岡県掛川市。
“掛川茶”など、全国的に有名な地域ですが、 その地域全体に目を向けると、農家の高齢化が進み、 農業をやめてしまう方も多くいました。
今まで、緑でいっぱいだった土地は、耕作放棄地や休耕地に。
生産量も減り、技術も伝わらず、地域の景観も失われ……。

“これを解消するには、自分たちがそれを受け継いでいくしかない”

そう決心すると、2011年、本格的に『農業』に乗り出しました。

遠州の干し芋

こうして早速作り始めたのは“サツマイモ”、そしてその加工品である“干し芋”。
実は遠州地方は、干し芋発祥の地とも言われているそうで、 少し前までは、冬になるとどこの家でも
庭先でサツマイモが干される風景が広がっていたとか。

だからこそ“伝統の製法を守り伝えていき、特産品として復活させたい”

そんな願いを込めて、この作物を選んだそうです。

遠州の干し芋
「人」も財産のひとつ

「人」も財産のひとつ

農作物を栽培するにあたって、『まるやま農場』が決めていることがあります。
そのひとつが“減農薬”。
「農薬は楽だけど、農薬を使っている人間は、より濃度の高いものを浴びてしまうから」
だから、『まるやま農場』が作る作物は出来る限り農薬を使わないよう工夫がされ、 サツマイモにいたっては、農薬を一切使用していません。
これは、食べる人への安心感だけでなく、作る人に対しても“安全”を突き詰めた末の答え。
その分草がぐんぐん生えてくるそうで、5~6月に定植した後の夏場はまさに「雑草との闘い」。
スタッフみんなで、夏の日差しが降り注ぐ中、ひたすら草の除去に励んでいるそうです。

トライアンドエラー

トライアンドエラー

さらに、『まるやま農場』が決めているのは“減化学肥料”。
サツマイモの美味しさを最大限に引き出すため、 あえて安定して生育ができる化学肥料を使わず、有機質肥料を使っています。
有機質肥料は土壌の環境を壊さない自然由来の肥料ですが、 化学肥料と比べて手間は何倍もかかります。
さらに地域に点在している畑は、その土壌の性質も様々。
時々で変わる、気温や天候も考慮しなければいけません。
それぞれの環境で最適な成分を工夫し、実践して、検証して……。
こうして毎年、試行錯誤を繰り返しています。

「はるかに優れる」品種を使用

『まるやま農場』で育てているのは、糖度が高く、粘り気のある食感が特徴の「紅はるか」という品種。
収穫されたサツマイモたちはそのまま販売される他、加工されて商品となっていきます。
その加工の過程でも、『まるやま農場』のこだわりは随所に表れます。

最高の状態は、自然と人とで作られる

収穫されて適正な温度で保管されたサツマイモは、まずは1か月以上“熟成”させます。
熟成させることで、サツマイモのでんぷんが糖に変わり、中心まであの“黄金色”になるんだそう。

収穫後、ここで保管して熟成。時期になると大きなカゴでいっぱいに!
収穫後、ここで保管して熟成。
時期になると大きなカゴでいっぱいに!
大きさごとに仕分けられ、干し芋に適したものだけが選ばれます。
大きさごとに仕分けられ、
干し芋に適したものだけが選ばれます。

熟成したサツマイモは綺麗に洗われ、外側の皮をむくと、 ひとつずつ手作業で細長い形に裁断していきます。
皮は惜しみなく厚めにむかれ、 中の甘くて黄色い部分のみが可食部として扱われます。

皮をむいた後は、すばやく丁寧に裁断。残った皮があれば、きれいにしていきます
皮をむいた後は、すばやく丁寧に裁断。
残った皮があれば、きれいにしていきます
細長くなった芋をきれいに並べていきます
細長くなった芋をきれいに並べていきます
トレイの中にはすでにおいしそうなお芋が
トレイの中にはすでにおいしそうなお芋が

手作業でトレイに並べられたサツマイモは、“遠州のからっ風”と呼ばれる 乾燥した冷気で一昼夜干されます。
その後、さらに乾燥機でじっくりと乾燥させると、最後にパックに詰めて、 ようやく“やわらかほしいも”の完成!

ハウスのような囲いのなかで、一昼夜天日干し
ハウスのような囲いのなかで、一昼夜天日干し
クリーンな乾燥室でじっくり乾かすと、身のしまった干し芋に!
クリーンな乾燥室でじっくり乾かすと、身のしまった干し芋に!

魅力をたっぷり味わって

こうしてできた“やわらかほしいも”は、糖度たっぷりの透明感のある黄金色。
手に取るとその柔らかさに驚き、一口食べればその甘さにまた驚き。
“紅はるか”の特徴をたっぷり引き出した、完全無添加の干し芋です。

透明感のある黄金色の“やわらかほしいも” 透明感のある黄金色の“やわらかほしいも”

歩み続ける、守り続ける

その他、『まるやま農場』では、このサツマイモで“甘なっとう”を作ったり、
干し柿などのドライフルーツを作ったりと、 自然の恵みを生かした商品を製造しています。
また、こうした製造・加工には地域の高齢者や障がい者の方が携わっており、
地域貢献の一端を担う取り組みも行っています。

「目標は、もっともっと収量(収穫高)を増やしていくこと」

その思いは、地域と伝統を守ることにも繋がっていきます。
『まるやま農場』の挑戦と前進は、これからも止まることはありません。

甘なっとうは干し芋にならない規格外のものを使用しています。
甘なっとうは干し芋にならない規格外のものを使用しています。
森町の次郎柿を棚干し
森町の次郎柿を棚干し

shizumo スタッフレポート

「毎年毎年、初めてみたいな感じです」
無農薬・無化学肥料で、それぞれの土壌の状態を見ながら生育を考えていくこと。
そしてその収穫高を安定させ、高めていくことは決して簡単なことではありません。
それでも、サツマイモの話をするときの清水さんの活き活きした顔を見て、『まるやま農場』で作るサツマイモの、本当の美味しさの理由がわかった気がしました。

Writer:ほた子

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